海馬の星

玉森くんとキスマイ。それだけじゃないけど書き留めておきたいことを綴るところ。降りそそげ愛のシャワー。

舞台「THE NETHER」

グローブ座・森ノ宮ピロティホールでそれぞれ1回ずつ観劇してきました。

 

 

グローブ座は2階席だったけど、すごい近く感じるし声も聴き取りやすくて、あんちゃんぶりに入ったけど好きな会場だなぁと。

 

ピロティホールは広い分、生の声は人によって向きによっては聴こえにくかったりもするけど、この舞台はマイクなんて付けない方がいいのでそれで良いと思った。

 

雨の中で登場したモリス。

 

取り調べをする口調は激しく、シムズに対して嫌悪感と、検察官としての責任感での押し進め方だった。

 

平田満さん演じるシムズは、自分をある意味閉じ込める意味でもハイダウェイを作ったようだった。

 

そしてその後に出てくる中村梅雀さん演じるドイル。ドイルは自分の自信を持ってしてきたことが評価されず風化していくような時代に取り残されたくなかった。

 

そして逃げであることは自分でも分かっているからこそ追求されることを拒んだ。 シムズに比べてダラダラと逃げる風な対応だったのは、そんな風に感じた。

 

プライドが高く今までの自分を信じてたからこそ、ハイダウェイでの姿では承認欲求を満たしていて、それを知られるのもきっと恐れていたことでもあったんだろう。

 

「羞恥心を煽って…そんなのはとっくに超越してる」とは言ってたけど、それは本心の裏返しのように感じるんだよなぁ。

 

モリス。

 

モリスは自分の父親が廃人で、欲しかった父親の愛情をもらえなかったバックグラウンドからネザーを憎み、愛を知らずに育った。

 

その子供のころの気持ちが分かるからこそドイルには娘さんは、と何度も聞く。

 

最初のシムズへの口調も、父親をそうしてしまったネザーの世界への憎悪みたいなものもあったからなんだと思う。

 

一方でハイダウェイが自分を解放し自由にしてくれる場と知ってしまい、アイリスに恋をすることでアイリスを救いたい気持ちも生まれる。

 

モリスの愛はきっと本当の愛で、アイリスの姿でなくても中身を愛すことができた。

 

けれどシムズに最後に強く言い放つ場面では逆にシムズに説き伏せられてしまい、その考え方もあることに打ちのめされる。

 

愛し方や守り方はそれぞれなんだと知ったんだと思う。

 

 

ここの言い合いからの沈黙の時間は本当にしばらくその会場全体がしんと張り詰めてて、引き込まれていく時間で、胸が締め付けられる思いだった。

 

現実世界での不自由や苦悩から生まれたネザーの中で、自由を各々が楽しみ、そして愛情をもって交差しているけれど、結局その根底を知りたいと思うことでまた自分と対峙して現実世界にも影響してくる。

 

自由とは何か、ということや、

 

ネットの世界だけで生きようとしても個体のある現実世界とはやはり切り離せないというリアル。いろんなことを考えさせられた深い作品。

 

最後の雪はアイリス(ドイル)との雪解けに感じた。シムズとドイルはその時には本当にお互いの愛が通っていたということを示してもいると思った。

 

まだまだ言い足りないしいろいろ思い出したいけど、まずは走り書き。